大力の女/チアーヌ
 
れど、社歴が長い人間にとってはただの会社の宴会という感じで、みな好き勝手に話を始めた。
そんな中、出て来た話は、やはり格闘技をやった人間が多い会社なだけに、
「うちの社では、誰が一番強いのか」
という話だった。

営業は相撲部出身が多いし、今年の新入社員も見たところ相撲部の出身のようだった。
そんな彼を囲んで、ふとした流れから、話が膨らんで行った。
「営業部で一番強いのは、なんと言っても今年入社の高田君だろうな。何しろ、学生相撲で優勝したことがあるんだからね。大したもんだ」
「いえ、僕は....それよりも、管理部にいる、大学で2年先輩の、白石さんのほうが」
「ほう、彼の方が強いか
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