入院記/渡邉建志
 
でいる薬が少ないからかもしれません。軽度の欝なのでしょう。でも長く罹っているのでずいぶんへんなこじれ方をしている気がします。自分を責め続けて寝込むとか、やる気がずっとないとか、そういうのはたぶん Aと別れてからずっとか、それ以前に大学にきたときからそうだったのかも知れず、よく思い出せません。Aという人がずいぶん底に沈んでいるのだなということを強く感じます。未だに、彼女のいった数少ない言葉や行動の理由と意味を考えます。そうだったのか、と気がついたりします。もう8年もたったことなのに。

 

病院は小さくて白くてきれいです。私は入院ということをするのが初めてなのですが、ここがその場所で本当に
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