生育暦/つめきり
 
ていった




わたしには影があるが きみと同じ濃度に
したくて影ふみをしている。「ぼく」と言っ
て、こぼれだしても何の味もしない。きみが
拡声器で、しゃべるとわたしのははに似てい
る。似ているというのは、大袈裟だった。お
んなのこのはなしかたは、大袈裟だから と
ころどころを弱毒してしまう。
腐った果肉を剥いで皮をフオークで貫通した
。 火照る爪が粒と粒のあいだ 浸透して空
、いつまも口の中に拡がる
窓を開けたり閉じたりして、きみが来るのを
待っているあいだ




ぼくたちはあたためられるだけあたためられ
て暑いにもかかわらず巻かれたマフラアのよ
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