詩人のシノギ(訳詩集「於母影」の巻)/みつべえ
しづかにラウレルの木は高く」といったような言葉の並びが個人的に好きなので、やっぱりこれにしてしまった。作者名のゲーテがギヨウテと表記されているのもたまらん。
ミニヨンの歌
ギヨウテ
其一
レモンの木は花さきくらき林の中に
こがね色したる柑子は枝もたわゝにみのり
青く晴れし空よりしづやかに風吹き
ミルテの木はしづかにラウレルの木は高く
くもにそびえて立てる国をしるやかなたへ
君と共にゆかまし
其二
高きはしらの上にやすくすわれる屋根は
そらたかくそばだちひろき間もせまき間も
皆ひかりかゞやきて人かたしたる石は
ゑみつゝおのれを見
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