胎内。/哀詩
 
奮しているのを感じた。

そんな日々を送っていたので気付くのは遅れたが
音はあるときから下のほうでしかしなくなっていた。
そしてこの音が大きいのだ。

頭痛が酷く、困り果てた。
空間はとうに窮屈になっており、
日々は正に苦痛だった。悶絶して
とうとう発狂しそうになったその時だった。
頭上に微かな色を認めた。
音は今までにないほどに大きく、身を裂くようである。



その時決めたのだ。





それからは早かった。
色を認めるとそれをめがけて、全身を動かした。
音は迫り来て、今にも身を貫くかと思われた。
空間は味方だった。

徐々にではあるが、前
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