胎内。/哀詩
のだから。
少し経つと、一定の周期があることに気付いた。
音は絶えず聞こえていたが
それは上からでもあり、下から、左からでも、右からでもあった。
音はまわっていたのだ。
周期は音の大きさ、そして速さのそれである。
ゆっくりと静かなときや、
早くうるさいときもあった。
そしてそれは一定の間隔を持っていたように思う。
すると意識の遠のく周期も自ずと決まってくるものだった。
怠惰、もしくは惰性。
日々(という概念を知ってはいなかったが)はただの繰り返しで
もはやそれぞれに境界などなかった。
ただ体の中部へ何か生暖かいものが流れてくるときは
己の音が、中が興奮し
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