音楽的詩論 一限目 「君が代」/風見鶏
詩を振り返る
――君が代は 千代に八千代に
――細石の 巌となりて 苔の生すまで
「君」は古語において「単純な二人称」「君主」の二つの意味がある。
「君」を天皇として扱うなら、確かに「あなたの世はずっと続きますよ^^」という天皇賛美でしかない。
しかし、「君」を「君主」ではなく「単なる二人称」にしたならばその意味は大きく変わってくる。
そもそも君が代は国歌として成立する以前は一介の和歌であった事も注視するべきだろう。
芸能として存在した和歌において、折によって多重的な解釈ができるよう作られたと考える事は極自然な事であり、そこに一元的な解釈を加えること事態がそもそ
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