桜の咲く頃 ーさようなら、ヨシ子お婆ちゃんー /服部 剛
ある雪の日に手紙を出しに外へ出て
すべって転んで骨を折ったヨシ子さん
ケアマネージャーが入院先へ
見舞いに行ったら泣きべそで
「アタシ馬鹿よね、おほほほほ・・・」
折れた骨がくっついたら
また会えると思ってたのに
ある朝ねむったまんまのヨシ子さん
見知らぬ国へ行っちゃった
もう会えないと思うと
なんだか辛くなってくるから
なるべく忘れたふりをしています
仕事も恋もずっこけて
いつも三枚目の
このぼくを
励ましてくれた
あなたの声だけが
今もこの胸に聞こえます
ぼくがつくった本を買っては
「とってもおもし
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