詩という“表現”を選んだあなたへ/いとう
ていると思っています。
自分の気持ちを吐き出したりコントロールするために。
「私がここにいる」ことを、誰かに知らせたいために。
詩とのお付き合いは、まず、そこから始まるのでしょう。
けれどもそこは、詩の入り口ではありません。これは断言します。
詩はそこで待ってくれているのではありません。
入沢康夫という、戦後詩に大きな影響を与えた詩人がいるのですが、
彼の有名な言葉に「詩は表現ではない」というのがあります。
実はこの言葉、概念としてはとても難しく一朝一夕に理解できるものではないのですが、
それでも、「表現とは何だろう」「表現するということにどのような意味があるのだろう」
そ
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