星の王子さまについて/渡邉建志
 
という難しい時期に立った人達にこの本を読んでもらいたかったのかもしれません。
 僕も大きくなったら大人じみてくることになるでしょうか。そうなったときに、もう一度この本を開ける事ができたら、とてもいいと思います。そうすればこの本の作者のサン・テグジュペリや、この本をささげられたレオン・ウェルトのような、ピーター・パンのように、心のかたすみ(いや、できればど真ん中がいいんだけど)に永遠に「子ども」が生き続ける人になれるような気がします。
 今夜もきれいな星が光っています。この本を読んだ人の心には、或る小さな惑星、B-612番の光が輝きつづけるでしょう。この光が消えないかぎり、僕はその人の心が純粋で
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