星の王子さまについて/渡邉建志
 
し、世の中には、もちろん僕のまわりにも、そんな大人の「外見的なかっこよさ」にあこがれて、子どもから早くぬけ出したいと考える人がなんとたくさんいることでしょう。いかにもかわいそうだ、と僕は考えます。
 大人の外見にとらわれ、本当に「心の目」を捨ててまで大人になりたいのでしょうか。もちろん僕は、からだの成長を止めろとか、心の成長を止めろとか、そんなことを言うつもりは毛頭ありません。ただ僕は、その心の成長の過程の中にあっても、心のどこかかたすみに、いや、心のど真ん中に「心の目」、つまり子どもの心というものをしっかり、忘れないように、据え付けてほしいだけなのです。そう考えると、作者は、こういう思春期とい
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