ハチクロを読んで泣いた理由/イダヅカマコト
 
分をきっと別の場所へと行ける自分として求める気持ちは持っていた。

小学校のときに書くことに必要なことを全部学んでいた。二年生で始めて詩を書いたとき、思うような文字数の二倍半の行を書いたことがあった。その長くなった行について詩人みたいとコメントした先生のことを今に至るまで僕はふざけるなと思っている。この「イメージと書き方と評価の差異」のことは何人かの友人に話していた。
本当はもうひとつ脱皮したことがあり、五年生か六年生のときに書いた文集の中だった。書くたびに構成が全く変わっていた。書いている間は違和感だけが先行し、書き終わって初めて自分が書きたいことが変わっていないことを確かめていた。多分自
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