ハチクロを読んで泣いた理由/イダヅカマコト
分自分がいかに積極的になったかを書いた文だったと思う。卒業文集では違うことを書いたが方式は変わらなかった。ただ、書くと言う行為が素振りに近く、どんなに書き方が変わっても書きたいことは変わらないのだということだけを学んだ。この二つ以外に大きなことは僕が書く中には存在しなかった。あとは先人の作品を読んだ上での傾向と対策だけだった。
この二ヶ月の間、頭は重いか痛いかの二通りしかなかった。調子がいいときほど痛みが強くなり、まるで人間になったあとの人魚姫の足だった。電車の中で眠りに落ちると起きたときには必ず口を開けていた。きっと脳の血管を傷つけて昏睡した人のように大きないびきをしているのだと創造したが
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