Mさん/戸森めめん
ように、他のクラスメートもグラウンドに駆け出す。
彼らは降る雨を賛美するように、天に向けて両手を広げ、その場で不器用にくるくると回りだした。
気づくとベンチには、僕と*Mさん*と二人だけになっていた。
僕はMさんに『みんながよく理解できないことをしている』と同意を求めようとしたけど、
彼女は、いとおしそうにぐるぐる回るをみんなを見て、笑っていた。
私もこのベンチに座っているのが申し訳ない気持ちになって、クラスメートの元に歩き出した。
*Mさん*
少し変わった苗字をした女の子で、色の白い素直そうな女の子だった。
二学期になって野球部のSと付き合いはじめたが、Sに強姦まが
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