ノート「序か跋か」より、みっつ。/秋津一二三
 
いる。}

「あしたばの」という題の作である。「序か跋か」にいわゆるコンセプトがあるとすれば「やまなしおちなしいみなし」と言えるかもしれない。物語とは切り取られた線である。ある者にとって序であれば、別のある者にとっては跋となろう。読み手にはそのような可能性すら任されている。


{引用= 前へと突き抜ける景色に、呵責もない。

 夜に生く少年はこじつけて拳を振るう。倒すべき相手のいないこと、振りあげた分だけ堆積していく澱がまた、焦燥を煽り立てる。
 求めるものはあるのだろう。望むものはあるのだろう。ここにはないとしても、あるだけましなのだ。

 ノイズばかりのラジオに耳を
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