ノート「序か跋か」より、みっつ。/秋津一二三
いる。}
「あしたばの」という題の作である。「序か跋か」にいわゆるコンセプトがあるとすれば「やまなしおちなしいみなし」と言えるかもしれない。物語とは切り取られた線である。ある者にとって序であれば、別のある者にとっては跋となろう。読み手にはそのような可能性すら任されている。
{引用= 前へと突き抜ける景色に、呵責もない。
夜に生く少年はこじつけて拳を振るう。倒すべき相手のいないこと、振りあげた分だけ堆積していく澱がまた、焦燥を煽り立てる。
求めるものはあるのだろう。望むものはあるのだろう。ここにはないとしても、あるだけましなのだ。
ノイズばかりのラジオに耳を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)