サークル/鈴木
 
忠実な人間への無理解によって捕捉されるものです。「空不異色、ハッ!」文学部三年生兼記憶会幹事・高田はるかという人物を少しくながらも把握している者からすれば正当な論理からの帰結と説明できましょう。「色即是空、シャッ!」すなわち、傷心のあまり黄泉へ旅立った自己の真言による回帰志向。かのアントナン・アルトー概していわく、オノレが実在するのはただ身体のあるここ一点であるのです。さて念仏が完全なる智慧の取得法へちょうど差しかかるころ「ウッポロス」未開の言語と共にはるか先輩は顔を上げました。その容貌! 彼女は美しく、しかし台無しでした! 赤々と染まった顔面があまねくを冗談めいた虚妄に見せておりました。彼女の逆
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