「waste」/菊尾
舞いながら手を振るように燃える紙
「もういい」と決めた午後三時
欠落した感情を綴ることに筆を置いた
要らないものは捨てていく
空から降ってきたそれは灰ではなく
以前日記に残した私の筆跡だった
自制を止めたのはいつだろう
もう一人の私自身に
全て捨ててしまえばいいと
少しずつこの世界に順応していかなければと
私が私を導いていた
「乾性的である君は満ちることはない」
あなたは頬を優しく撫でながら私に言い聞かせた
冷たい指先がとても残酷に思えて
同じ性質のふたりは
互いの欠けた部分を理解しながらも
それを埋められないでいる
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