「waste」/
菊尾
近すぎるために救えないことを知っている
月を待つ
眺めていると弧を描き廻る世界を肌で感じられる
過去は日記が持ち去った
現在は夜へ流し続けている
その先にある場所で私は何を捨て続けるのだろう
あなたは「拾うために捨てている」と私を説明した
月光が足元を染め上げていく
青白い足の甲
影が傍で佇む
疲れて重い頭をその胸に当てて聴いたあなたの鼓動
なぜかそれまで似ていると、そう思った
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