青虫のキモチになって考えてみました/
 
目や口や、器官とゆう器官が、捨てられて、
急ピッチで、あたらしく、ツクリ換えられていくよ。 力んでも、
いくら力んでも、もう、あのひどく臭う角が、出せないよ。
わからない、あのひゅっと出していた、あの黄色いものの出し方が、
どんどん、どんどん、わからなくなっていくよ。
青葉をもしゃもしゃ齧ってた、
ぼくの丈夫な顎の動かし方も、
波打つ足のすべらせ方や、
しめった小枝の肌ざわり、も、
なんだか、何もかも、を、
ぼくはぼくの中で、
どんどん、どんどん、忘れてしまっていくよ。
ところで、ぼくの中で、ぼくはいったい、
さっきから、何をしているんだろう?
いや、誰だっけ、
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