向こう側の貴方へ/maynard
 
一歩が決まって雪山にも日は昇ると言うことが心の支えではあったのですが、その支えですら分厚い雲と吹雪にかき消されたように貴方の時より酷い事に意味も分からないまま相棒の失踪という結末で支えは失われました。
まさにこの時こそ風前の灯と言う言葉が当てはまるのかも知れません。
もしも産まれた日に燈る1本の蝋燭があるのならば、私の蝋燭は荒野に吹きさらしにされているに違い無いと錯覚さえしてしまうです。
そして何度も負けじと被害妄想だと思いましたが、どうやら間違いだったようです。
この現実は間違い無く悲惨であり、間違い無く残酷だったのです。
しかしいつしかこの悲しみも苦しみも時の彼方に葬り去られ
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