風潮と予定調和(ニュースを見ていて思うことなど)/塩水和音
とはあんまりなく、しかし多くの人によって執拗に繰り返され、その結果、その真理性が背景を持たずに自明の事のように流通するという傾向があります。
一見もっともらしく、多数の人に各種の利益をもたらす風潮ほど、純粋に信じる人が増え、大きくなっていきます。大きくなった風潮は、それ自体と予定調和的世界を保つため、いたわるような仕草で、事実を隠蔽するなど圧力を発揮します。その不自然さは、娯楽作品や報道等に、ゆがみや偏りとして見て取る事が出来ます。
たとえば、「親に感謝すべき」という風潮を思い返してみる。一応確認しますが、思想や心情は自由な筈なので、感謝したくなればすればいいし、したくなければしなくとも良
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