風潮と予定調和(ニュースを見ていて思うことなど)/塩水和音
も良い。常に、親に感謝しなければならない理由は論理的にはないのですが、この風潮を信じている人は多い。親を大切にする事としなければ年老いた親が困るのと、進んで立派な事をしたがる若者等がいるから、「真理」とされているのです。
それでは、親に感謝できない・しない人がいたら、彼らはどうするか。彼らはそのような人を、「人間的に幼い」と位置づけ、一方で親に感謝するようになることを「精神的成長」と設定し、あの手この手で相手を「成長」させようとします。レールを引いて、誘導を試みるという事でしょう。そして重要な事ですが、実際に、親に感謝できない自分を「未熟者」だと考える人が少なくない。そんなふうにして、「全体」の
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