なにもないぜ、ぼくたち/青木龍一郎
止めてテストの話ばかりしている中学生。スズメ。トンボ。酸素。狂気。
今、この公園で本当に生きてるのは僕だけだ。
彼らの決して明るいとはいえないであろう未来をただずっと見ている。
僕は、おもむろにベンチを立ち上がり大声で詩を読み始めた。
少年たちは野球を中止し、一斉にこちらを注目してきた。
公園の時間は止まった。
僕だけが時間を気にせずに詩を朗読していた。
あまりにも過激な詩を。
詩を読み終えた後、僕はブランコに乗って爆笑しだした。
爆笑しながら僕は叫んだ。
「この公園は僕のものなんだよ。みんなでてけよ。しあわせそうなかおしやがって
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