聖性、冬、機械/ケンディ
 
もできない。錆びた鉄くずや何かの物体が、悲惨な目にあった死体のように、ところどころに転がっている。この反復に仲間入りできないことに、私はひそかな寂しさも感じる。それでも、ここでも怪物=機械が儀式を反復していた。そして反復しているということに間違いはない。このことを発見した私は、彼が私をここに連れて来たのだなと思った。彼方には何十本もの巨大な煙突から、不気味なほど静かに流れる真っ白な煙の束。こっそりと夜空を蝕む毒虫だ。やましさと悪意ゆえに見つからないよう、音もなく夜空を食い荒らす。けっこう長い時間、私はバイクで走った。だが人間はどこにも見当たらない。完全に無人だ。たまに、まったく喩えることのできない
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