聖性、冬、機械/ケンディ
の行為は理性と情熱の最終的融合形態だった。それを裏返してみれば、彼のやったこと(行為)は皮肉だった。いや彼自身(存在)が、人間(類型)の皮肉だった。いや人間の方が、彼のアイロニーだった。彼にとって他の人間は野蛮な未開部族だった。
彼が死んだ次の日の夜、私はバイクで、都心から離れた工業エリアに行ってみた。寒い夜だった。不気味に流れる汚い河に沿って走る。河の水以外全て人工だ。川の水は腐った臭いを運んで不気味な速度で流れている。この河は私に激しい恐怖を催させる。得体の知れない化学薬品が流され、危険な微生物や奇形の魚などの生き物が漂い、薬品と生物が混じり合いながら、おぞましい化学変化を遂げて、私の知識
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