燃える大輪/山中 烏流
 
 
 
 
 
 
 
それは、浅はかながら
艶めきを晒している
 
狂い踊る群衆の隅で
一心に
咲き誇ったまま
 
 
燃える
 
 
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縁取られた瞳の
中心にあるものを
私は
花びら、と呼んだあと
火を放った
 
 
露が涙というなら、
花びらはいつだって頬だ
 
滑り落ちる跡は、いつも
なぞるときになって
消えてしまうのだけど
 
 
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指差した少女の肌は
すべからく純白であり、
褐色でもある
 
その先で
煌々と燃えている大輪は
やはり、群衆の隅で
咲き誇ってい
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