燃える大輪/山中 烏流
 
ていて
 
 
 (つみとろうとした
 (ゆびさきから
 (ほどけていくことを
 
 (わすれては、ならない
 
 
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乾燥を常とする、
その一端に露が現れ
気が付いたときには
ぼう、と
燃えてしまった
 
 
その艶めきは
密を背負う揺らぎだ
 
群衆の瞳が逸れる
 
それは、理解であり
気付かないふりなのであろう
、多分
 
 
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抱いた橙は、
いずれ灰となる
 
その名残に、
私は魅入られたのだ
確かに、魅入られたのだ
 
 
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群衆の隅で、
大輪が燃えている
 
その隅で、
何かが
息をしている
 
 
瞬いて、いる。






 
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