エトランゼの行方/パンの愛人
 
はWHオーデンの詩句を下敷きにしている。
その他にも、文学作品からの引用があるかもしれないが、その辺はご教示をたまわりたい。

ところで、鮎川は後年アメリカに関する書物を何冊も著すが、実際には戦時に兵士として外国に行ったことがあるだけで、
戦後は一度も国内から出たことはないという。
この点では長年アジア・ヨーロッパを放浪した金子とは決定的な相違がある。
しかし、鮎川は「戦中手記後記」で「戦争に行く前すでにロースト・ジェネレーションであったかも知れぬ」
そして「日本と切れていた」という堀川正美の論をみずから首肯している。

次に金子の「エトランゼのゆくえ」と題する散文の一部を引用し
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