鬼の左手 (2/3)/mizu K
あな昼日中に鬼の祭りか、夜に百鬼が行
列をするという話はありこそはすれ、はたして、といった話
が噂され、宮の政ごとは腐敗が人々の口にのぼって久しく、
いったいこの都は正常に機能しているのか最早だれにもわか
らず右往左往、その行きかう者たちの足は千々に乱れ、宮か
ら立ちのぼる白い煙の元は雨ごいではなく、何かよからぬも
のを燃やしているのではないかともまことしやかに噂される
ようにもなりました
人の目はどうでもかまわない
ただただ歩くだけ
願掛けをしたの
百と十日欠かさないと
日照りだろうとこぬか雨だろうと
辻まで往復する
百と十回往復する
そうすれば、そうすれば、
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