アデン 二/soft_machine
 
。どうやらケンカする気はなさそうなので僕は柱からはなれて、男が座っていたいすにのぼってじっくり四角をながめることにした。
 変わったとくぎだなぁ、ただの四角のなかにこんなおおきな景色がつくれるなんて。それも雨を降らしたりビルを燃やしたり、リンゴがあって僕や鳥やブタもいる。一体なんでこんなことするんだろう?
 じっと見てるとまたしてもあたまがクラクラするのは、ほんとのようで、綺麗だけれど嘘っぱちなこの景色が実はいろんなところでヘンに歪んでいて、青い手の男も笑っているけれど人間にしてははだかで、はだしで、よく見ると立派なからだのあちこちからまっ赤な血をながして歩いているからだ。おかしな渦まきみたい
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