消えるもの 残るもの/深水遊脚
 
に事態が進展することを望むのも悪いことではない。でも、現実に何かは消え、何かは残る。詩学社という会社が存続するためには売上が必要だった。お金は一時的になら銀行から借り入れることも出来る。知人から借りることも出来る。出資を募ることも出来る。でも借入金は返さなければならない。出資金はそれに見合う財産を最終的には分配しなければならない。その源泉になるのが売上だ。詳しい財務状況は知る由もないけれど、詩学社の売上が十分でなかったのにはそれなりの理由があるのだろうと思う。皮肉にも倒産で話題になり、一時的に需要が急増し、在庫をいくばくかの現金に変えることができたとしても、売上が十分でなかったそれなりの理由が変わ
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