Religionについて/ケンディ
n)の緩和だ。債権者の譲歩といったところか。当時免罪符による救済の保証があったが、構造的にはそれと同じだろう。ルターは負債の返済可能性をほのめかしたにすぎない。彼は信徒のソルベンシーを調整した戦略家だった。信徒は神に対して莫大な借金を抱え、返済能力なし(insolvent)であったのに、莫大な借金が返済可能(solvent)かもしれないならば、人びとは一縷の可能性にかけて日々努力せざるをえない。神はルターというコンサルタントに委託して、信徒達の債務履行の出力が最大限となるよう合理的にソルベンシー・マネージメントを行なったわけだ。そうしてみると免罪符も同様に、神との負債関係の制度的解決の試みであった
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