イナゴ/渦巻二三五
んを出すから」
そうでしょうねぇ。
「なんだ、知らないんだね」
「袋ごとじゃっと湯につけるんだよ」
お鍋に入れるんですか。
「上から湯をかけてもいいよ。袋を開けたら飛び出るからね」
あっはっはあと笑う
わたしも笑う
「死んだら洗って」
シンダラワラッテと聞こえてしまう
わたしにはできない
が、ついつい聞いてしまう
「脚のさきっぽのところは取るんだよ。ほう、ここんとこ…」
イナゴをつまみ出そうとする
ああ、はい。脚の先ですね、わかります、わかります。
(まだ袋に入っていて姿は見えないが、たくさんの脚)
あの、こんなに、わたし。
「そうだね、あんたんち
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