夜のプールサイドで君は/ふくだわらまんじゅうろう
ファナとか
覚醒剤とか
やらなかった
そのかわりと言っちゃあなんだし
そう言うわけでもないかもしれないけれど
俺は25メートルプールの
あっちとこっちにウィスキーの小瓶だか大瓶を置いて
潜水で一気に泳いでってはちびりとやって
また潜水で戻ってきてはちびりとやって
アホな後輩たちは派手な水音たてて逆飛び込みしたりなんかしているけれどそんなのはほっといて
守衛の懐中電灯の光の輪が新しい時代の蛍になるなんてニュースには耳も貸さないで
少しずつ少しずつ
酔いを深めて
深めていって
少しずつ
少しずつ
死への憧れを静への導入を憧れて憧れて
水中の浮遊感にかつてそこにはなかっ
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