「ラブアンドピース」に対する異議申し立て/佐々宝砂
に生まれながら女性として生きようとする人物が、しばしば本物の女性よりも女性らしさを発揮するように、非現実の人物に過ぎない彼女は、本物の女性よりも本物らしく見える幻の女性として読者の前に立ち現れる。このような人物を造形し表現することは、それがいかに典型であったとしても、いや、あるいはそれが典型であるがゆえに、なかなか困難なことだ。だから、私は、この詩が不出来な詩ではない事を認めよう。いやもっときちんと認めよう、この詩はなかなか出来がいい。うまくつくられている。
私は認めよう。
だが。
>ラブアンドピース
>愛と平和
>
>ひとびとがそれらを望み続けるのは
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