中野島/大村 浩一
 
て動かなくなった
川に落ちた白い花に自分を例えた


君を連れていく
「責任を取る」と偽って


いさかいや病気が周りで起きて
世界はだいぶ色あせてきた
優しい人は去って脅かす人が現れ
でももしも君が壊れても
玩具のようにどこかへ返す訳にはいかない


連れて行けない野良猫の話をする
産まれないかもしれない子供の話をする
辛い顔が嫌でおどけて話をそらす
下北沢にはまだあの茶色い犬が居る
見られなくなるまでずっと見ていよう


君を連れていく
「責任を取る」と偽って


いまは自分自身を失うより
君を失うのが辛い
けれどこうも思う、
君が耐え
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