谷川俊太郎氏への手紙 〜名詩を読む?〜 /服部 剛
冬をむかえ
春をむかえ
更に新しい夏を期待して
すべての新しいことを知るために
そして
すべての僕の質問に自ら答えるために}
このような素晴らしい詩を読むと、どんなに時が流れても、人の
心には消えない想い出があると感じます。小犬に舐められた舌の感
触、自分をみつめる潤んだ瞳、寂しく飼い主を呼び求める鳴声・・
・・・(たった二回の夏)を知っただけで世を去った子犬と、もう
数を忘れるほど毎年巡る夏を過ごしてきた自分・・・・・読者とし
てこの詩を読む僕自身も、無表情に過ぎゆく年月の中で「一体何を
してきたのだろう・・・」と、ふ
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