やわらかい肩/あおば
ない人生だけど
入場料分だけは見学しなければと
躾けられているからなのか
とにかく足が疲れて
棒のように堅くなる
立っているのも辛いのに
皇帝の作らせた
インペリアルエッグは
眺めることを強制する
ふらふらする
疲れた身体で
虚ろな瞳で眺めたが
なにがなんだか
分からない
美しすぎるほど美しくて
工芸技術の粋を凝らした
細密な素晴らしい仕上がりで
高価なものだというのは分かる
ほんとにお腹が空いてきたので
食べるものを探して
外に出たら
3階のイベント広場では
懐かしい車たちが集められ
ボンネットバスと並んで
オート三輪が走っている
ダイハ
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(17)