やわらかい肩/あおば
イハツとマツダの2トン車に
360ccの軽三輪が
少し草臥れた車体をたくさんの人に曝して
少し恥ずかしそうに並んでいた
体験乗車も出来るので
ここでも
一列に並んでいたら
すぐに番が回ってきて
助手席に乗せられて
イベント広場を2周してくれた
雨で濡れたタイルの路面は
三輪の足では少し滑りそうで不安だが
運転する青年は馴れているのか
すいすいとハンドルを滑らせて
壁ぎりぎりに大回りして
サービスに努めている
まるでタイムマシンのように
バーチャルで安全な感覚に
既視感すら覚えて
可笑しくなる
東京で
ビルの3階で
オート三輪に乗れるのも
不思議な気がしたが
ガラス越しとはいえ
ロマノフ王朝の秘宝
インペリアルエッグを
眺めることが出来たのだから
そんなに不思議なことではないのかも知れない
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