バカの壁と知識人はどうでもよくて…/カスラ
 
るはずである】ことにも気づかずに…。(※池田晶子:中央公論1988)

「頭で、字面としては、わかるが、感じでわからない」

というあの言い方は実はまったく正確である。「感じ」でわからないものは、何もわかったことにはならない、ということが分かったとき、それが「わかる」という言葉が指示する全てであり、人類はこの出来事について、それ以外の言葉を持っていないだけのことだ。
わかりやすく上手に説明できないけど、プルーストの『失われた時を…』の、一口のマドレーヌの味覚が甦るあの「感受」と言えばわかるかな?そのことを、※「思想は思考に先立たず、思考は感覚に先立たない。そして感覚は、私たちの一切の経
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