バカの壁と知識人はどうでもよくて…/カスラ
 
故なら、そのとき彼は「死」と「無限」とを、その意識内に生きられた「現実」として直観しているが、「知識人」たちは、「死」と「無限」とを、数々の知識の取捨選択によって理解し得ると疑うことなく「信じて」いるからである。

※いったい、私たちが日々何かを感じ、何かを考えているということは、それと名指されなければならないほどの特殊な出来事なのだろうか。「本当にそんな気がする」という、ただそれだけの日常の経験を「感性の諸形式」と言い換え組み換えしてから、その対応物をどこか別の場所へ探しにゆこうとする。現象以前にそんな命名があるはずがないことにも、また、命名がある限り、【その現象(意味)は既に知られているは
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