にじのみさきにて/さち
 
と広がってゆく



踊る というだけでは言い切れない
そんな踊りがあるわけではない
いつの間にか揺れだす
形に収まっていたものを
揺すり ほどきだす
音と音の間を体が埋める
大地を叩く 
踏みしめる
地球から返ってくる力が
生き物であった体を思い出させる

自分の命のために踊る
全ての命のために踊る
想いをこめて踊る
まるでからっぽで踊る
もうどっちが先かわからなくてもいい
踊るための命かもしれず
踊るための想いかもしれず
生きている熱に酔う




そろそろ一日がおわる
たいようは真っ赤で金色
かげえになった山のむこうに
ゆっくりと 
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