にじのみさきにて/さち
と広がってゆく
踊る というだけでは言い切れない
そんな踊りがあるわけではない
いつの間にか揺れだす
形に収まっていたものを
揺すり ほどきだす
音と音の間を体が埋める
大地を叩く
踏みしめる
地球から返ってくる力が
生き物であった体を思い出させる
自分の命のために踊る
全ての命のために踊る
想いをこめて踊る
まるでからっぽで踊る
もうどっちが先かわからなくてもいい
踊るための命かもしれず
踊るための想いかもしれず
生きている熱に酔う
そろそろ一日がおわる
たいようは真っ赤で金色
かげえになった山のむこうに
ゆっくりと
[次のページ]
戻る 編 削 Point(18)