美人は誰か/んなこたーない
てしまうだろう。
あらゆる観念、あらゆる感覚が、単調で没個性的な、倦怠や虚無のように果てしもない、
ひとつの巨大な統一体のなかで交じり合ってしまうだろうだからである」
これは一面的には真実であろう。
つい数ヶ月前の話だが、現代詩手帖が「現代詩人賞特集」を組んでいて、
普段は手に取らないぼくも資料的な価値の意味もこめて買って読んでみたら、そのあまりの読み応えのなさに愕然とした。
それもそのはずで、賞と名のつくものはどれもこれもイカガワしくアテにはならない。
教授・審査員諸氏と世間一般との径庭は由々しき問題である。
しかし病的に青白く物憂い幻想美を称揚するボードレールの腹の内には、
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