アシスタント日記/猫のひたい撫でるたま子
 
が撮ればいいじゃないか!と思うかもしれないが、そこはプロの仕事。画面に映っている構図を見て、本番の写真の構図を決めるのではなく、画面からこの建築や光のどういった感じが欲しいのかを読み取り、一枚一枚の写真の核を決めてゆく。見せられた構図と、そこから構築された写真の構図が全く同じにはならない。

画面から伝わる情報を映像で変換し、提案してゆく作業。言葉のやり取りもあるが、殆どが画面を見せてのやり取りになる。

言葉で説明しようとすると、こんなに長くなるものだが、やり取りは殆ど一瞬である。

視覚の伝達は言葉より、速度がとても早い。私はまだ全く視覚でものを考える能力がつかないので、いちいち言
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