詩集・人生の最中に/生田 稔
 
やかなる街路
ひとは
ざわめく
行くてに不安在り
されど吾は一遍の詩を
尋ねあるけり
本の山は高く
万巻の書は埋まる
其の詩、やっとのこと
めぐり会えり
心は躍る
懐中をさぐれば
如何ほどもなく
再び埋もれたる書の山に
一遍の詩を戻し
悄然と街路を歩む
再びや何時の日に
彼の詩に会わむと
会わばひしと抱かん

吾今詩を朗ず
懐かしき衷心の喜びをもちて
なつかしき詩篇はわが手にあり
わが唇にあり
?ひばりに寄せて?
その題名なり。

哲学と恋

男は哲学をすべし
女は恋をすべし
男は哲学を語り
真顔で語る男を
恋すべし

男と女は
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