詩集・人生の最中に/生田 稔
 
街を行き来て
 ふと寄りて、ビール呑み
 そばを食い、3人組
 陽気な仲間、吾らは細き
 スマートな仲間、花は咲き
 灯りはともる街は消え
 今憩うテーブルに、コーヒー二杯
means nothing.

本買い

 京極の書店で
 昔、父と娘が本を買っていた
 これもいかがですかと店員がすすめる
 お父さんは、うなずく
 少女はそれも買ってもらい
 いくさつも本を抱える娘
 うらやましかった
 その日わたしは一冊本を何とか
 買えるきりだった
母は言いきかせた
「お父さんがハカセになったら
なんでもかってあげるよ。
それまではしんぼうするので
[次のページ]
戻る   Point(7)