詩集・人生の最中に/生田 稔
配なさり伏せておられます。
さ行きてお会いなさいませ。」
おとこ涙ぐみて、「では行こう、はなしせむ一部始終を、
われは悪い妖怪にだまされて今までおりぬ」
そしてひざまづきて神に謝せり。
家に入れば、妻まだ眠っており
ゆすり起こせば、目をひらきにっこり笑い
「貴方さまよ、何処へ旅してまいられしよ
われははた心配しおりし、よかりし、よかりし
貴方様帰られし、貴方様の神がは守られしゆえに」
(妻また言う)、
これからはともに仲良くなして、あなたが決してこのような事なされぬように
神に仕え、神にいのらむ。」
陽気なスタンダール
灯りのともる街を
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