詩集・人生の最中に/生田 稔
 

 蒼穹に白い雲
 心に満ちる喜び
 乙女の心を抱く
 哲学をする者に
 喜びは限りなし
 今日も書を開く___

雨の後の部屋で

 雨が上がって薄陽さし 午前まだ暗い
 しめった床 机の上に 幸福の木
 モーツアルトをわざとかけ 少し溶ける
 返された伊藤整詩集
 ちょっと首をかしげた可愛い子
 隣の奥さんは歩いて会社へ
 青い朝顔がパッと開いて
 今朝は涼しい

 ルーブル博物館で、じっと一つの絵を見てる、今日もまた着てる彼女、花の絵なんだけど、ほしいほしいてもらしてた、清い心なんだね、給料を全部はたいて求めたって絵見せてもらって驚いた、シンプルなんだ
[次のページ]
戻る   Point(7)