詩集・人生の最中に/生田 稔
 
明ききつ
 寒山寺を訪ぬ
 自ら十得・寒山に
 学びしを
 
 グットバイ、蘇州
 再来期す
 砂巻き上がる道を行く
  
曇り空両岸の灯り
やっぱり中国に来た
 
異国の語四方八方よりきこえ
こんな経験はまだない
 
酒あれば何のことなき支那の夜
バーボンのグラス傾ける

一人酒手酌酒演歌も聴ける
上海のホテルの夜は更けて

夜深く上海一色この部屋に
バーボン、パバロッイ

 ゆきずれ
 
ゴトン、ゴトン
あんたなんか知らないよ
と吐き捨てるように
 
煌煌たる光
あんたもこうなるのよ
傍らの死体を指して

ちらりと顔を見せた
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