詩集・人生の最中に/生田 稔
 
なり。
 (1995・8・27)

 54歳にならんとし

 山野に男女在り、貧なれど酒有り
 大笑谷にこだまし、大食腹満つ
 願う貧に過ぎず、富みに過たぬを
 人道平坦ならずも、丘遠に望みあり
 人老いて白髪、顔面さび濃し
 前途幾ばく、残る歳少しやも知れず
 吾はただ神を待つのみ。

 湖畔の夕べ

 今夜は妻のボーナスの日
 子と妻と三人で
大橋の袂のレストランで
 ビールをもう一本飲めと
勧めてくれた妻が悲しい

 グライダー

 グライダーに乗りたい
 三十一文字のような
 限られた時間と空間を
 できるだけ広く自由に
 グライダーの
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